クローバーの会@やまがた
クローバーの会@やまがた
◇団体・施設の概要、活動について
クローバーの会@やまがたは、2015年4月に不登校・ひきこもりの子どもをもつ親の会としてスタート、現在も親の会を月に1回継続する他に県内各地で親の会の立ち上げのサポートをすることにも力を入れおり、今年の4月に法人化となった。2019年度からは山形県より若者相談支援拠点設置運営事業も受託し、不登校や引きこもり等の相談対応の他に子ども・若者が気軽に集えるフリースペース、小中学生を対象としたフリースクール、対象年齢を問わない夜間教室も不定期だが運営している。その他に、子ども・若者食堂を月に2回実施、ひとり親世帯に対する支援としてフード・パントリーや市から委託を受けて子ども宅食見守り事業等も展開している。フードパントリーやランチ会の際にひとり親家庭応援センターの職員の方にも参加いただき、その場で就労の相談に対応することもある。食糧支援が目的でなく、そこから就労支援等その方のニーズに対してリファーしている。職員は常勤4名、非常勤3名体制で運営、親の会からスタートしたこともあり、家族を支えて、家族の価値観をゆさぶっていくという視点から親の会と親の会の立ち上げには最も力を入れている。ひきこもり支援=家族支援とも考えている。
◇ひきこもり者に対する支援メニューについて
相談はメール・電話、来所相談いずれにも対応。自宅への訪問は原則的にはしていないが、本人が望んだ場合には対応することもある。小・中学生に関しては学習支援での訪問という名目で訪問することはある。居場所についてもその対象者に合わせたフリースクールとフリースペースがある。拠点の使い方としては平日の午後2時まではフリースクールとして不登校の小中学生が利用し、高校生以上は午後2時から開所されるフリースペースを利用している。小中学生の中には併用している子も多い。フリースクールは月謝をいただいており、フリースペースは1回100円で利用できる。以前はフリースペースの利用にあたり、匿名性を重視して住所等の個人情報も聞いてはいなかったが、現在においては、利用を希望する方は必ず事前に面談を行い、住所等連絡先を教えていただいてから利用いただいている。フリースクールもフリースペースも最初はメニューを決めて行っていたが、現在はその時々の状況によって相談しながらやることを決めている。フリースクールについては毎週子どもミーティングを実施しており、居場所でのルール等について話をしている。金曜日はお昼ご飯を一緒に作って食べている。送迎は原則していないが、その世帯の状況等で対応することもある。居場所は大切にしており、訪問支援等ではなく、あくまで家族支援を中心に本人の主体性を大切にした支援に心がけている。就労支援については、山形市内ではサポステ含め他に受け皿はあるので、他NPOにもリファー、同行することは多い。その拠点で就労支援を受けながら、そこでの体験について話をしてくれたり、時に愚痴をこぼしたりすることもあるが、本人が就労に向けて進んでいく上でのはけ口となっている。
◇ひきこもり者支援を行う上での課題
- 支援機関を利用する上で有料なのかどうか気にされる方は多く、生活に困窮している上で配慮が必要な方は多い。
- 現在、ひきこもり者の就労支援はしていないが、代表の樋口さんが実家(菓子屋)の事業を継承することとなり、その菓子店とも連携、若者支援の場とすることも考えているし、作ったものをこちらで販売する、またはパッケージを若者と作ってネットで販売する等も考えている。
- 白鷹、飯豊、長井の方で米沢に行くのは遠く、近隣で相談できる場所がないことから代表の樋口さんの実家で飯豊町と連携してフリースペースをすることも検討している。樋口さんが飯豊出身でもあるので西置賜で相談拠点や居場所が必要だと感じている。
- 引きこもり者で長く居場所を利用していた方が就労することになったが、就労を開始する直前で自ら命を絶ってしまったことがあった。中・長期で休職、または初めて働く場合に段階的な支援はもちろん、本人が納得して踏み出せる環境・サポートが必要。働かないという選択肢を認めることも大切ではないか。