多機能福祉施設こもれび(運営:企業組合労協センター事業団)

多機能福祉施設こもれび(運営:企業組合労協センター事業団)

 

◇団体・施設の概要、活動について

こもれびさんは現所長の佐藤さんが銀行員や庄内地域若者サポートステーションでの勤務を経て、2013年に就労移行支援あおばの立ち上げから就労支援B型、就労定着支援事業、生活困窮者就労準備支援事業、放課後等デイサービス事業等、目の前で困っている人の声に耳を傾け事業を拡大してきました。現在は、山形県からの委託事業でもある若者相談支援拠点設置運営事業も受託して運営しています。行政に対しては、民間団体で毎年ひきこもりの窓口設置を訴え続け、酒田市においてはようやくひきこもりの相談窓口が福祉課内に出来ましたが、全国的に進んでいるひきこもり支援のプラットホームの設置はまだ進んではおらず、模索状態であります(令和4年5月時点)。地域資源の開拓、ネットワークを構築していくことにも力を入れ、自団体も中心となってネットワーク会議も運営、目的としては引きこもり者の掘り起こしもありますが、ひきこもり支援に関する方々が顔の見える関係性を作り、それぞれの機関でどのような困り感があるのか、その困り感をどのように連携することで解決に向かえるのか、例えばその中で保健師の方と一緒にアウトリーチを行う等他機関との連携を強化しています。

◇ひきこもり者に対する支援メニューについて

相談はメール・電話、アウトリーチ、来所相談いずれにも対応しています。居場所の開設(週1回)、就労訓練についても障害者支援事業の中で繋がった事業所等も含め連携している事業所数も増えてきており、就労決定者のほとんどが実習を経て就労しています。ただ、いずれの支援メニューも土日祝日は対応していません。ただ、ニーズはあると考えているので土曜日の相談も不定期で検討、併せてLINE相談も前向きに導入しようかと考えています。就労した後の定着支援こそ大切だと考え、就労した後のサポートも丁寧に行っています。

◇ひきこもり者支援を行う上での課題

  1. 若年層への支援 若年層でも潜在的に引きこもっている人は多いと考えられますが、なかなか支援に繋がらないのが現状で、その方及び世帯に情報が届いていないことも考えられ、広報・周知については課題です。併せて、学校との連携、教育庁や教育事務所への働きかけ、躓きかけた時から早期に繋がることの大切さも感じています。
  2. 障害者支援(精神・発達的な課題を抱えた方)から一般就労へ移行するための支援 障害者支援で長期間に渡って継続してきた方が一般就労に向かって、次のステップとして一般就労定着に向かえるような事業の必要性も感じます。
  3. 個人情報・守秘義務の壁 ひきこもり者について情報を把握した方がいても、個人情報・守秘義務の問題等もあって、問題自体が孤立したままのケースが多いとも感じています。
  4. 引きこもり者の変えられない生活環境 引きこもり者の就労支援の課題としてはプログラムを実施する拠点または就労体験先までの移動手段の問題は大きいとも感じています。
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